定期健康診断実施は会社の義務。
違反すると罰せられるケースも。

労働安全衛生法（規則）において、「一年以内ごとに一回、定期的に医師による健康診断を行わなければならない」と定められており、また健診項目も定められています。これは法律で会社に健康診断を受診させる義務が課せられており、また同時に労働者も受診する義務を負っていることになります。違反すると会社が罰せられるケースもございます。ご質問のケースでは忙しさが理由とのことですので、健康診断は任意ではなく義務であることを丁寧に説明し、忙しくて時間が作れないのであれば受診が出来る様に業務の調整を行ったり候補日を複数提示したりするなどの配慮や工夫をしてください。それでも受診しない場合は懲戒処分も検討しなければなりませんが、健全な労使関係を確保するためには懲戒処分は避けることが望ましいので出来る限りの手を尽くして必ず受診できるようにしましょう。また、かかりつけの病院にて受診を希望される社員がいるかもしれませんが、法律で定められた健診項目が受診出来ていればその結果を提出してもらい代用することも可能です。（田中）

田中　宏昌
社会保険労務士・第一種衛生管理者

立命館大学法学部法学科卒
2006年　社会保険労務士登録
2009年　田中社会保険労務士事務所設立。労働保険の分野に強みを発揮し、特に労働災害の対応においては普通の社会保険労務士の枠を超えて訴訟の見通しをも踏まえた知識経験をクライアントへ提供する。
2016年　社会保険労務士法人SignPostを設立し、代表社員へ就任。