昨今の新型コロナウイルスのこともあり、当社では週に1日のみ出勤、他の日はテレワークで仕事をしてもらっています。ただ、一部の業務(特に総務、経理業務)は出勤しなければ仕事が出来ない状況です。他の社員とのバランスも考え、テレワークが出来ない社員には休業してもらおうと考えていますが、この場合、休業手当の支払いは必要でしょうか?(北区 Sさん 54歳)
テレワークの必要性も判断材料に
新型コロナウイルス感染症による休業を行う場合、不可抗力による休業の場合は休業手当の支払いは必要ないとされています。この不可抗力とは①その原因が事業の外部より発生した事由であること。②事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることが出来ない事由であること。この2要素いずれも満たす必要があります。今回のケース、①については新型コロナウイルスが原因、②についてはテレワークも十分検討した結果なので、一見すると不可抗力に該当する様に思いますが、そもそもテレワークを行う必要性があるのでしょうか。
昨年春の様な非常事態宣言が発令され全ての活動自粛が求められている状況であれば必要かもしれませんが、限定的な自粛で、まだ多くの方が出勤している状況ではテレワークの検討のみで事業主が最大の注意を尽くしたとは言えず、休業手当の支払が求められる可能性が高いです。個々の詳細な状況にもよりますので労基署に一度相談された方が良いかと思います。(田中)
山田 真樹
社会保険労務士・行政書士
龍谷大学理工学部機械システム工学科卒
2005年 社会保険労務士登録
2006年 マサキコンサルティングオフィス設立。中小・零細企業から一部上場企業まで、これまで100社以上の企業に対し、労務管理に関するアドバイスを行う。
2016年 社会保険労務士法人SignPostを設立し、代表社員へ就任。
田中 宏昌
社会保険労務士・第一種衛生管理者
立命館大学法学部法学科卒
2006年 社会保険労務士登録
2009年 田中社会保険労務士事務所設立。労働保険の分野に強みを発揮し、特に労働災害の対応においては普通の社会保険労務士の枠を超えて訴訟の見通しをも踏まえた知識経験をクライアントへ提供する。
2016年 社会保険労務士法人SignPostを設立し、代表社員へ就任。
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