塗装を行うタイミングは、住宅の立地条件や外壁・屋根の種類によっても大きく異なりますが、大まかな目安としては、新築から10年ほどで塗膜が寿命を迎えることが多いので、外壁や屋根の機能を長く維持するためにも、10年前後を目安に塗装を行うのが良いと思います。また、塗装後の経過年数以外にも、塗膜の劣化具合でタイミングを計ることもできます。外壁の種類別にタイミングの見極め方と塗装のポイントをご紹介しましょう。

◆モルタル壁（厚み1.5〜2cmが標準です）

①塗装の目安は10年くらいですが、本来少々のヘアークラック（小さなひび割れ）は問題ありません。下層の防水紙がしっかり施されていれば弾いてくれます。ひび割れを見つけて塗装を促す業者には気をつけてください。
②このひび割れも段差の付いた大きなモノなら要注意！家の躯体に問題がある可能性もあるので、専門家に見てもらいましょう。
③塗装の材料には、透湿性のある防水塗料がオススメ。室内の湿気は外に出し、雨水の侵入は防ぎます。
④塗装ではなく金属製サイディングを選ぶ方も。金属製サイディングは軽い・高断熱性・防音性・キレイなどのメリットはありますが、コストは塗装よりも格段に上がります。

◆窯業系サイディング壁（圧縮パルプ繊維）

8年を過ぎたら迷わず塗装してください！サイディングボードは発売当初、メンテナンスフリーのイメージでしたがそんなことはありません。サイディングボードの側面には塗装処理がされていないため、水を吸い始めると一気に反りだします。もしボードが反ってしまったら全面張り替えをしなければならず、かなりの高額費用になります。また、つなぎのコーキング部と釘止めのところは露出しているので、劣化しやすくなっています。窯業系サイディング壁は、5年ごろから注意し、8年を過ぎたら迷わず塗装しましょう。

◆カラーベスト屋根は？

前号fdで、屋根の塗装が必要であれば、外壁と同時にやるのがオススメとお話ししましたので、屋根についてもポイントを。カラーベスト屋根は5年を過ぎると表面の化粧層が劣化し、吸水し始めます。放置すると白くなったり苔が生えたり、割れたりします。表面の防水性が失われたら塗装が必要です。全く塗装をしないで15年以上経過すると、反りがひどくなって塗装すらできなくなる可能性も。塗装をせず、葺き替える場合は、カラーベストの上に新たに瓦をかぶせるカバー工法と、今のカラーベストを撤去して新しい瓦をのせる方法がありますが、いずれも塗装に比べると高額になります。

今回のまとめ

• 種類と劣化状況によって差異はありますが、8～10年が外壁塗装のタイミング！
• 屋根の補修は塗装か葺き替えか？メリット・デメリットと予算をよく考えて！

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