コロナウイルス感染後に後遺症で頻繁にめまいが起きるようになりました。先日、通勤中にめまいが起き、階段から転落してケガをしました。この場合、通勤災害として給付は受けられるのでしょうか?(中央区 Yさん 33歳)
被災(お怪我)をした場所により通勤災害としての給付が受けられるかが分かれる
通勤災害に認められるかどうかの判断基準の一つに通勤によって被災(お怪我)した、すなわち通勤に潜んでいる危険が具現化して被災したことが必要になります。通勤途中にお怪我をしたからといって全て通勤災害と認められるものではありません。めまい等の私傷病が原因でお怪我をした場合は通勤災害に認められないケースも多くあります。今回のご相談の場合、お怪我の部分に対しての給付(めまいに対しての給付は対象外)は通期災害と認められる可能性が高いと思われます。階段という危険な場所でお怪我をした(通勤に潜んでいる危険が具現化した)というのが認められる可能性が高くなる理由です。一方、平坦な道で今回の様にめまいを起こしてお怪我をした場合、平坦な道は通常危険な場所ではなく通勤に潜んでいる危険があったとは言い難いです。それ故、通勤災害として認められる可能性が低く給付が受けられないのが一般的です。なお、通勤災害に認められる要件は住居と就業場所との往復であること等、他にも要件がありますのでご注意ください。(田中)

田中 宏昌
社会保険労務士・第一種衛生管理者
立命館大学法学部法学科卒
2006年 社会保険労務士登録
2009年 田中社会保険労務士事務所設立。労働保険の分野に強みを発揮し、特に労働災害の対応においては普通の社会保険労務士の枠を超えて訴訟の見通しをも踏まえた知識経験をクライアントへ提供する。
2016年 社会保険労務士法人SignPostを設立し、代表社員へ就任。
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TEL.078-391-1173(代表) E-mail:info@sr-signpost.jp
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