コロナ禍で追い風が吹き、急成長を続けるECモール市場。「楽天市場」や「アマゾン」を利用し、自宅にいながら欲しいものが買える便利さは暮らしを一変させた。参入する会社も相次ぎ加熱するEC業界において、池上朋子さんは注目の人。ECモールに出店するさまざまなブランドをサポートし、数多くの商品を売上向上へと導いている。
結果に揺るぎない自信
「会社は私1人で切り盛りし、外部スタッフの力を借りながら、ECサイトの制作やバナーのデザイン、ブランディングなどの仕事を請け負っています。レディースアイテムやDIYグッズ、ペット用品を中心にさまざまな商品を手掛けてきましたが、担当したものは最低でも現状の1・5倍の売上に持っていく自信があります」と胸を張る池上さん。その人柄は天真爛漫だ。自身を「枠にはまりたがらない自由人」と言い切り、ウェブデザイナーとしてデザイン制作会社に勤めていた時は「とにかく定時がイヤだった」と笑う。
「9時に出社して17時に退社するっていう他人が決めたルールのもとで働くのがつらすぎて、遅刻ばかりしていました。3回の遅刻が有給休暇1日にカウントされる会社だったので、どんどん有休が消えていき、気づけばゼロに。それでも減給と引き換えに休暇はきっちり取っていました」。その一方で、デザインセンスはピカイチ。任された案件には必ず結果を残し、クライアントからの評判も上々だった。取材に同席していた元上司も「信頼は厚かった」と振り返る。
自然体で仕事を楽しむ
起業への強い願望はなかったが、「自分の好きなリズムで仕事がしたい」と独立。持ち前のデザインセンスと高いコミュニケーション能力、柔軟かつ迅速な対応でクライアントの心をつかみ、今では名古屋や東京からも依頼が舞い込む。「1つの商品に対するヒアリングはみっちり1時間。特徴を詳細に聞き取り、事実を精査した上で要望を全てページに落とし込むのは得意です。女性ユーザーに向けて発信することが多いので、デザインは飽きずに没入できるナチュラルなテイストを重視しています。ヒットする商品は打ち合わせの段階で手応えを感じるもの。話を進めていく中でどんどんアイデアが湧き、ワクワクしてくれば確実に売れます」。
楽しいことと好きを追求
そんな池上さんの感性に刺激を与えているのは、街中でのショッピングや紙雑誌なのだそう。「色づかいや流行のデザインなど、視界から一気に多くの情報が入手できるのがいい。ネットの狭い世界ばかり見続けていると想像力が偏ってしまうし、感性を広げるにはアナログなものに頼る方が高効率なんです」。いつも心が躍ることにアンテナを立てている池上さん。密かに描く夢は、現職とは全く別の世界にあると明かす。「犬が大好きなので保護犬施設を開業したいんです。実現までにはまだ時間がかかりますが、あれこれ妄想するだけでも楽しくって」。新たに生まれたワクワクを原動力に、今を全力で駆け抜ける。
プロフィール
株式会社ワンズバディ 代表取締役
ウェブデザイナー
池上 朋子(いけがみ ともこ) さん
1977年兵庫県生まれ。
神戸市内にある女性用インナーウェア会社に就職し、ウェブデザイナーとして勤務する。その後、ホームページやECサイト制作等を行うデザイン会社に転職。3年後に独立し、2016年に株式会社ワンズバディを設立する。
インフォメーション
株式会社ワンズバディ
素晴らしい商品を持っている企業や店舗の『相棒』になりたい、という意味を込めたネーミング。ショップサイトの売上サポート、店舗運営、商品のLP制作、WEBサイト&ショップサイトのデザイン・制作など、相棒になって売上アップに取り組んでみませんか?
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取材ウラバナシ
今回の取材には池上さんの愛犬のノアちゃん(シュナウザー)とリオくん(柴犬)も同行。オープンテラスのカフェで1時間ほどおとなしく待っていてくれました。かわいい姿に筆者も癒されました。