会社は『ワクチン接種を受けるよう推奨すること』はできます！

職場の安全確保の観点から、従業員にはなるべくワクチン接種を受けてほしいと考えている社長は多いと考えます。しかし、ワクチン接種には副反応のリスクが伴うため、医師より十分に説明を受け、自らの意思で接種する必要があります。そのため、会社が『従業員にワクチン接種を強制すること』は許されません。また、従業員が拒否しているにもかかわらず繰り返しワクチン接種を勧めることも好ましくありません。今回のご相談のように、ワクチン接種を拒否した従業員の出勤を制限する、人事異動や懲戒処分など不利益な取り扱いをする、あるいはワクチン接種を受けていない従業員を社内公表する等も認められません。また、医療機関など接種の必要性が高い業種でも、最終的には個人の判断であると厚生労働省が通知しています。会社としては、従業員がワクチン接種を受けやすいようにワクチン接種のための休暇制度を設けて、ワクチン接種を受けるよう推奨することがよいと考えます。（有富）

有富　貴弘
社会保険労務士・人事コンサルタント

神戸商科大学商経学部経済学科卒
2003年　社会保険労務士登録
2004年　アーク総合法務事務所に参画。労働紛争問（解雇等）、会社労務・助成金関連などを専門業務とし、特に人事労務管理には定評がある。
2016年　社会保険労務士法人Sign Postを設立し、代表社員へ就任。

藤森　圭子
社会保険労務士・国家資格キャリアコンサルタント公認心理師

神戸大学教育学部卒
2006年　社会保険労務士登録
2008年　アーク総合法務事務所に参画。アパレル会社人事部での実務経験を活かし、労働社会保険諸法令に基づく手続き業務から労務相談まで幅広く精通している。
2016年　社会保険労務士法人Sign Postに参画。