オーソドックスな料理ほど昔ながらのレシピを当たり前のように使ってますよね。デビルズ・キッチンでは、料理の当たり前や常識をくつがえし、まるでアクマのように簡単なレシピや調理法を伝授します。
残暑も終わり、やっと涼しくなってきました。今回は味覚のお話。
よく「絶対味覚」とか「神の舌」などの言葉を耳にしますが、実はこれは間違いです!
一度、鼻をつまんでカレーライスを食べてみてください。気持ち悪い感触だけで、まるで何を食べているかわからないはずです。料理で大事なのは実は味覚よりも嗅覚です!なので「絶対嗅覚」「神の鼻」なんです。
味覚には甘味、塩味、苦味、酸味、旨味と大きく分けて5種類ありますが、これは人によってそんなに差はありません。大抵の方が、甘い、しょっぱい、辛すぎる!と同じように感じます。ですがニオイは「あれ?何か匂わない?」「ガス臭くない?」と周囲に言っても、気づかれなかったり、さほど感じられなかったりといった経験はありませんか?視覚は1.5の方も0.01の方もおられるように、嗅覚もそれぐらいの個人差があるのです。
味がわからないと病院に行くと、ほぼ間違いなく舌ではなく嗅覚障害と診断されるはずです。特に我々プロの料理人は、嗅覚を磨いていなければガス漏れや煙の臭いを早期に察知して対処できなかったり、食材の異常に気づけず食中毒を引き起こすなど、お客様の安全を守ることができなくなります。
嗅覚を上げるためのトレーニングとしては、
●ニオイを常に、貪欲に意識すること
●4種類以上の香りの違うものを、日に何度か嗅ぎ分けること
(例えば、4種のハーブやフルーツ、アロマなどもOK)
医学的には60歳前後から嗅覚が衰えてくるそうです。自分も今年還暦を迎え、先日豆腐を食べたときに以前より大豆の香りが感じられないような気がしてトレーニングを始めました。仕事では一日中、意識していろんなニオイを嗅いでいますが、それ以外に朝晩、アロマの嗅覚トレーニングセットを使って嗅覚を鍛えるようにしています。
いつまでも美味しい料理や飲み物が味わえるようにしましょうね。
それでは香りを楽しむカンタンな料理をご紹介。
秋といえばやっぱり松茸、松茸は香りが命です。焼き松茸や土瓶蒸しにされますが、一番美味しい食べ方は、フレンチならパピヨット、イタリアンならカルトッチョ。簡単にいえば紙またはホイルの包み焼きです。
包み方
まず松茸は絶対に洗わないこと。キッチンペーパーを湿らせて軽く汚れを拭き取るだけに。香りを大切にするため包丁も使わず、手で割いてください。これを写真のように、ご家庭のクッキングペーパーかアルミホイルに包みます。少しお洒落な包み方もご紹介しますね。中は松茸と少量の水だけです。(日本酒やワインは余分な香りがつくのでNG!)これをオーブントースターで約10分程度焼けばできあがり。ハサミやナイフで十字に開いて、そのままテーブルへ。この香りだけで日本酒の1合や2合は呑めそうです。お好みで塩、スダチ、少量のポン酢をかけてお召し上がりください。
今年、松茸はかなり高いので、写真は平茸と舞茸を使っています。最近、キノコ採りの名人から『香茸(コウタケ)』をもらいましたが、これは松茸の香りを超越しています!炊き込みご飯にしてもすごく香りが良いので、見かけたらぜひ試してみてください(国産松茸よりかなり安いです)。
より美味しく! より健康に! より美しく若く!
itsu葉 岡本 勝弘
電話番号 | ☎078-515-6135 |
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営業時間 | 火~日曜日ランチ営業中 ディナー:事前予約制(10名様~) 不定休 |
所在地 | 神戸市中央区京町67 KANJUビル2F 各線三宮駅徒歩10分 |
店舗情報 | 駐車場なし・禁煙 |
URL | https://itsu-ba.com |