劇団四季の「アラジン」や「ロミオとジュリエット」など数々の人気作に出演し、ミュージカル女優のキャリアを積み上げてきた花岡麻里名さん。2022年は「モダン・ミリー」の出演なども控え、多忙を極める。「今できることを、今のうちに経験したい」と精力的に活動を続ける花岡さんの素顔とは。
神戸で培った舞台女優の原点
現在の活動拠点は東京だが、関西公演などの際には地元の神戸に帰省することも多い花岡さん。「新神戸の駅に降り立ち、山々の緑と瀬戸内海を目にした瞬間、帰ってきた!と嬉しくなります。実家で暮らしていた頃は、山の色彩で季節の変化を感じ取っていましたが、今はビルばかりで四季の移ろいに気づかないこともあるんですよ」。神戸の豊かな自然にふれると、頭に浮かぶのは学生時代の濃密な1年だ。「神戸大学大学院生の時に、第3代神戸ウエディングクイーンとして活動し、『海と山に囲まれたまち、神戸』というフレーズをよく口にしていました。得意のダンスを取り入れてPRしたり、神戸の魅力を広く発信しようとPVを製作したこともありました」と懐かしむ。この時培った柔軟な発想力と広い視野は、今の自分の礎となっている。
臆せず飛び込み人生を開く
幼少期から明朗快活な花岡さん。小学生の頃はバトントワリングに熱中し、全国大会で優勝した経験を持つ。ミュージカルとの出会いは中学生の時。宝塚北高等学校演劇科に進学するため、たまたま入ったスタジオが劇団四季の養成所だった。「それまでバトン一筋で、ミュージカルへの関心は皆無。ところがキャッツを観て感動し、中学2年の時に、高校卒業後は劇団四季へ入団しようと心に決めました」。けれども母親から「もっと広く外の世界を見なさい」と助言を受け、神戸女学院大学の舞踊専攻へ進み、コンテンポラリーダンスの魅力に開眼。一心に打ち込んだが、これで身を立てるのは難しいと、劇団四季、ディズニー、USJのオーディションを受け、全てに合格する。四季への思いは強かったが、劇団員ではなく研修生としての打診に快諾できずにいた時、親交があった教授に神戸大学大学院を受けてみないかと誘われた。「以前から興味があった高齢者の心と体の健康促進について研究するのもおもしろいかもと思いました。母の教えで、常に舞台以外の道も模索していたこともあり、挑戦しようと決意しました」。
舞台を経た先にある未来が楽しみ
大学院生時代は研究に勤しむ一方で、四季から求められる人材になるための努力も惜しまなかった。ウエディングクイーンとミス日本の活動を通して、パフォーマンス力や表現力を磨いた。四季の舞台に立つ夢を叶えた今は、枠に収まらず、ボディメイクトレーナーとしても活躍する。「人の倍ほど努力して、人並みの力がつく」と、何事にもストイックに取り組んできた花岡さん。視線の先にあるのは意外にも、舞台に立ち続ける自分の姿ではない。「舞台は人生の一部。重ねた経験や人脈が花開き、次に開ける新たな道が楽しみです」と声を弾ませた。
プロフィール
ミュージカル女優
はなおか まりな
花岡 麻里名 さん
1990年神戸市生まれ。神戸女学院大学音楽学部音楽学科舞踊専攻を卒業後、神戸大学大学院に進み、その後ミュージカル女優としてデビュー。初舞台は20thCenturyが主演を務めた「オン・ザ・タウン」。2013年に第3代神戸ウエディングクイーン、2014年にはミス日本「海の日」を歴任。
インフォメーション
関西で出演予定の舞台
メリー・ポピンズ
2022年5月20日~6月6日 梅田芸術劇場
モダン・ミリー
2022年10月1・2日 新歌舞伎座
キングアーサー
2023年2~3月 兵庫公演(予定)
花岡さんの透き通る歌声と華麗な踊りをぜひ劇場で。最新情報はSNSでチェック!
Twitter /@hanamariririri
Instagram /@marinahanaoka
取材ウラバナシ
日頃から体型に気を配りながらも、「甘いものが大好き!」と言う花岡さん。神戸に帰った時のお楽しみは、ケーニヒス クローネのスイーツ。
「手土産にすると、舞台仲間にも喜んでもらえるんですよ」。